バート・ヤンシュとジョン・レンボーンを中心に、Jacqui McShee (ジャッキー・マーシー)(Vo.)、Danny Thompson(ダニー・トンプソン)(b)、Terry Cox (テリー・コックス)(Ds)によるペンタングルは’68年にデビュー・アルバム「Pentangle」にてデビュー。当時ブリティッシュ・トラッドをベースにジャズやブルースを取り入れたサウンドは新鮮な響きを放っていた。またこのアルバムにはCharles Mingus(チャーリー・ミンガス)の曲「ワルツ」も収録されていた。’70年にリリースされた3rd,アルバムに「Cruel Sister(クルエル・シスター)」というのがある。このアルバムも評価の高い作品の一つとなっているが、収録曲の“Jack Orion(ジャック・オライオン)”はなんと18分強にも渡っての大作でここでもBert Jansch(バート・ヤンシュ)の素朴なヴォーカルを楽しむ事が出来る。
ペンタングルは’72年に一旦解散してしまうのだが’83年に再結成、だがメンバーはバートとヴォーカルのジャッキーの二人のみになってしまった。 '80年代に入ってから「Open The Door」(’83)や「In The Round」('85)と昔と比べると幾分かポップなサウンドとなってはいるが、やはり味のある奥深い内容である事には違いなく、現在も昔からのファンに愛されている作品である。‘90年以降では‘91年にリリースされた「Think of Tomorrow」があるが、ポップな中にも郷愁感溢れるサウンドが詰まった作品である。‘93年には「One More Road(ワン・モア・ロード)」をリリース。ペンタングルのオリジナル・アルバムとしては計15枚のアルバム をリリースしている。
バート・ヤンシュのソロ・アルバムとしては’65年にリリースされた「Bert Jansch」から。バンドの頃より同じペンタングルのギタリストであるジョン・レンボーンが民族音楽を取り入れたサウンドを追究しているのに対しバート・ヤンシュはブリティッシュ・トラッドにこだわりを持っていたように、ソロでも彼独自のこだわりが伺える作りとして言ってみれば彼の音楽には職人気質を感じるものがある。彼のプレイを絶賛するミュージシャンのひとりジミー・ペイジは「一時本当にバート・ヤンシュに心酔していた」と語り、ニール・ヤングも「最も印象に残っているギタリスト」としてヤンシュのアコースティク・ギターについて語っていた事があるそうだ。ジミー・ペイジがヤード・バーズ時代に作った曲“Black Mountain Side”はバート・ヤンシュの“Black Water Side”を元に作られ、また“White Summer”というインストゥルメンタルもこれに似た曲調の楽曲なのが興味深い。
彼のこの長い活動歴をここでまとめるのは非常に難しいが、ざっくりとでも知りたい場合に例えば2000年に入って発表された2枚組のAnthology(アンソロジー)を聴いてみるのもいいかも知れない。過去のアルバムから22枚のアルバムを選りすぐり、44曲の選曲から成るこのアルバムを聴けば彼のギターとヴォーカルの「味」が染み入るように伝わってくる筈だ。
(HMV)
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