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2021年8月2日月曜日
音楽 : バラキレフ:独奏ピアノのための作品全集
バラキレフ:独奏ピアノのための作品全集
ロシア五人組の1人、バラキレフ。ロシア音楽普及活動の先鋒として、またまとめ役として多彩な活動をしたにも拘わらず、彼自身は自己批判が強く自作について懐疑的であったようで、一時期は音楽界から退き、サンクト・ペテルブルク・ワルシャワ鉄道の事務員として働くなど、紆余曲折、挫折の日々を送っていたことも知られています。そのためか、残された作品はあまり多くありませんが、代表作『イスラメイ』をはじめとするピアノ曲はどれもショパン、シューマン、リストの伝統を受け継ぐ華麗な技巧を誇る親しみやすいものばかりです。このボックスにはオリジナル作品をはじめ、先人の作品のアレンジなどバラキレフの多彩な作品を全て収録しました。
このシリーズを通して録音したニコラス・ウォーカーは、英国王立音楽院とモスクワ音楽院で学び、ベートーヴェン演奏で高い評価を得ているほか、2010年の「バラキレフ没後100年イベント」を英国で開催するなど、バラキレフのスペシャリストとして知られています。(輸入元情報)
【収録情報】
バラキレフ:独奏ピアノのための作品全集
Disc1
● ピアノ・ソナタ 変ロ短調(1905)
● ピアノ・ソナタ第1番変ロ短調 Op.5(1856)
● ピアノ・ソナタ 変ロ短調『大ソナタ』 Op.3(1855)
ニコラス・ウォーカー(ピアノ)
録音:2012年6月10-13日 Wyastone Leys, England, UK
これらのソナタは1855年にまず作品3が書かれ、その翌年これを改作、作品5とします。しかしその約50年後に、もう一度手を入れて完成形としたのです。違いが一番顕著なのは第2楽章に置かれたマズルカであり、素材は同じではありますが、どのくらい進化していくのかは実際にお聞きいただければ納得していただけるでしょう。1905年のソナタは、第1楽章からフーガで始まるなどかなり独創的な仕上がりを見せます。(輸入元情報)
Disc2
1. ワルツ第1番ト長調(素晴らしいワルツ)(1900)
2. 夜想曲第1番変ロ短調(1898年改訂版)
3. ワルツ第2番ヘ短調(メランコリックなワルツ)(1900)
4. ワルツ第3番ニ長調(ワルツ=即興曲)(1901)
5. 夜想曲第2番ロ短調(1901)
6. ワルツ第4番変ロ長調(演奏会用ワルツ)(1902)
7. 夜想曲第3番ニ短調(1902)
8. ワルツ第5番変ニ長調(1903)
9. 夜想曲 嬰ト短調(1856年、第1番の初稿)
10. 幻想的小品 変ニ長調(1903)
11. ワルツ第6番嬰ヘ短調(1903)
12. 漁夫の歌(1903)
13. ワルツ第7番嬰ト短調(1906)
ニコラス・ウォーカー(ピアノ)
録音:2012年8月20-23日 Wyastone Leys, England, UK
世界初録音(9)
第2集で取り上げられているのは、彼の「ショパンへの憧れ」が強く感じられる夜想曲とワルツです。若い頃の作品である夜想曲第1番は、このアルバムで改作前の初稿版が初めて録音されました(9)。比べてみるのも面白いでしょう。(輸入元情報)
Disc3
1. マズルカ第1番変イ長調(1859-1860)
2. マズルカ第2番嬰ハ短調(1859-1860)
3. ピアノのためのソナチネ ト長調『スケッチ』(1909)
4. 子守歌 変イ長調(1901)
5. マズルカ第3番ロ短調(1884-1885)
6. マズルカ第4番変ト長調(1884-1885)
7. ドゥムカ 変ホ短調『哀歌』(1900)
8. マズルカ第5番嬰ハ長調(1884年版 ウォーカーによる補筆版)
9. 夢 ヘ長調(1903)
10. ユモレスク ニ長調(1902)
11. マズルカ第6番変イ長調(1902)
12. 小品 嬰へ短調(1851年第2稿 ウォーカーによる補筆版)
13. マズルカ第7番変ホ短調(1906)
14. カプリッチョ ニ長調(1902)
ニコラス・ウォーカー(ピアノ)
録音:2014年1月9,10日 Wyastone Leys, England, UK
世界初録音(8,12)
第3集はマズルカを中心に様々な小品を取り合わせた魅力的なアルバムになっています。スラヴ的な雰囲気が強調されたマズルカの他、あの『イスラメイ』を凌駕するほどに技巧的な『ユモレスク』や力強い『ドゥムカ』など聴き応えのある曲が並びます。(輸入元情報)
Disc4
1. スケルツォ第1番ロ短調(1856)
2. ノヴェレッテ イ長調(1906)
3. 10の歌(1896~第2曲『荒野』(1898年 ピアノ独奏版)
4. スケルツォ第2番変ロ短調(1900)
5. ファンダンゴ練習曲(1856)
6. グリンカの主題によるスペインのセレナード(1902)
7. グリンカの序曲『ホタ・アラゴネーザ』による華麗なカプリース(1900)(ピアノ版)
8. ベルリオーズの『エジプトへの逃避』序曲(1864)
9. スケルツォ第3番嬰ヘ長調(1901)
10. スペインの旋律(1902)
11. ワルツ・カプリース第1番変イ長調(タネーエフ)(1900)
12. ワルツ・カプリース第2番変ニ長調(タネーエフ)(1900)
ニコラス・ウォーカー(ピアノ)
録音:2017年12月11-14日 The Church of St. Silas the Martyr, Kentish Town, London, England, UK
世界初録音(5)
第4集には、19歳の頃に作曲されたショパンやリストの影響が色濃い『スケルツォ第1番』、60代の円熟期の作品で彼のピアノ曲の中でも人気のあるものの1つ『スケルツォ第2番』など3つのスケルツォを中心に、編曲作品が収められています。師グリンカの影響でスペイン音楽に興味を持っていた彼が、若き日に書いた『ファンダンゴ練習曲』は世界初録音となっています。(輸入元情報)
Disc5
1. バラキレフ:歌劇『皇帝にささげた命』の回想(1899)
2. グリンカ:歌劇『ルスランとリュドミラ』~チェルノモールの行進(バラキレフによるピアノ編)(c.1860)…世界初録音
3. ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11~第2楽章:ロマンス(ラルゲット)(バラキレフによるピアノ編)(1905)
4. バラキレフ:即興曲(ショパンの前奏曲による)(1907)
5. ショパン:スケルツォ第2番変ロ短調 Op.31(バラキレフによるカデンツァ)(1894)
6. リスト:華麗なマズルカ S221/R43(1850)
7. リスト:華麗なマズルカ S221/R43 (バラキレフによるカデンツァ)(1898)
8. ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第8番ホ短調 Op.59-2『ラズモフスキー第2番』~第3楽章:Allegretto(バラキレフによるピアノ編)(1862)
9. ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第13番変ロ長調 Op.130~第5楽章:カヴァティーナ(バラキレフによるピアノ編)(1859)
10. バラキレフ:舟歌 イ短調(1901)
11. バラキレフ:タランテッラ(1901)
12. バラキレフ:華麗なポロネーズ(1853-54)
ニコラス・ウォーカー(ピアノ)
録音:2018年6月11-14日 The Church of St. Silas the Martyr, London, England , UK
世界初録音(5,7,12)
バラキレフは尊敬する作曲家たちの作品をピアニスティックな独奏曲に編曲していました。このアルバムに収録されている世界初録音を含むほとんどの曲は、ショパンやリスト、ベートーヴェンらの作品のトランスクリプションであり、管弦楽作品や弦楽四重奏曲、歌劇からの曲をピアノに置き換えるだけではなく、時にはもともとある曲にコーダを付けたり、素材として新たな曲を書き起こしたりと、様々な手法が凝らされています。(輸入元情報)
Disc6
1. 糸を紡ぐ女(1906)
2. 庭園にて 変ニ長調(1884)
3. グリンカ:カマリンスカヤ(1848)(バラキレフによるピアノ編)(1902)
4. 交響詩『タマーラ』(ウォーカーによるピアノ編)(2019)
5. ポルカ 嬰ヘ短調(1859)
6. 蚊の死によせるエレジー(ウォーカーによる補筆完成版)(2019)
7. 魔女の踊り(ウォーカーによる補筆完成版)(2019)
8. グリンカ:心が痛むと言わないで(1834)(バラキレフによるピアノ編)(1903)
9. チロルの歌(1902)
10. ザポルスキ:夢想(バラキレフによるピアノ編)(1890)
11. トッカータ 嬰ハ短調(1902)
12. グリンカ:ペテルブルグへの別れ(1810)~第10曲『ひばり』(バラキレフによるピアノ編)(1864)
13. 東洋風幻想曲『イスラメイ』(1869)
ニコラス・ウォーカー(ピアノ)
録音:2019年11月25-28日 The Church of St. Silas the Martyr, Kentish Town, London, UK
世界初録音(4,6,7)
シリーズの完結編となるこのアルバムには代表作『イスラメイ』が収録されているほか、グリンカとザポルスキー作品の編曲版も含まれています。またこのアルバムのためにニコラス・ウォーカー自身がピアノ版に編曲した交響詩『タマーラ』と、補筆完成させた『蚊の死によせるエレジー』も収録。(輸入元情報)
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